※ネタバレを前提としています

観劇その他覚え書き

Spotlight 各ナンバーに好きなこと言う記事

Audition

「オーディション!」を口々に言うだけでもそれぞれに性格が感じられるのがすごい。オーディション参加者それぞれにスポットライトが当たるのが本当に好きです。よくこれだけの人数動かせるなぁ。
2回目に観たとき、このオーディションにかける思いがそれぞれにあるんだなって思ったら涙が出てきた。
長谷ちゃんお友達多そう。

 

He Is Awesome!(彼はすごい人)

だれ?彼!のところ、とても英語的で楽しい。"Who did? ""He did! " ですかね。
内野・宮間の二人の声のタイプが違うからどちらの旋律も生きる。三拍子の足取りが軽やかで、高木ファンの夢見る乙女感に心が躍る。たたたたって上がっていく音をさらっと歌うからすごい。
金梨ちゃんのパートに合わせてお金の音させるの楽しすぎるでしょ。
内野ちゃん、シンデレラみたい。腕の角度に出る上品さ。小鳥とか肩に乗っけてお話ししててほしい。

 

Like In Love(くそ男を見返すソング)

好きです。いつまでも喋っていてください。
四宮ちゃんのパワフルな愚痴と米村ちゃんのわかるよぉ~の相性の良さ。米村ちゃんの受けの演技がナチュラルだし相手をよく見てる感じがして好きです。
彼女たちは「考えちゃうそっとぎゅっと愛を」で「追いかけちゃうもっとスポットライト」なんですね!? 恋愛も舞台も同じくらい大事で、「恋なんて嫌い!」って言うのも、比重が大きいことの裏返し。「結局諦めらんないの」!! ああもう!女の子!!

 

Not So Bad Life(初心者3人組の歌)

相手の長所を拾う金梨ちゃんの健やかさ。きっと弟?妹?たちにもそう接しているんだろうなあ。
金梨ちゃんの引っ張ってくれる声と、長谷ちゃんの柔らかい声、御斎くんのハリのある声。他ナンバーを見たところ、そもそも皆さん中音担当なんですかね? バランスがすごくよかった。
リズムとって歩きたくなるようなサビの感じがハクナマタタだなと思った。
計画!練習!本番!っていうバタバタ感。
間奏が時間の経過なわけですよ。この1曲で1日経ってる。天才。台詞ガンガン入れる前のナンバーと対照的な気がした。

 

The Best Song Everベッソン

さんざん書いてるのでそのへんは割愛。
「あーふれでる」の入りから好き。すでに楽しそう。ちょっと色っぽくさえある。「のびやかに」は本当にのびやかで、考えられているんだろうなと思った。
2回とも上手で見たのだけど、たまには悲しく、で泣き崩れる四宮ちゃんが可愛い。

藤井先生の「3日後の、お披露目会?」の言い方。怒ってますよ、というモーション。
 

Dance! Dance! Dance!

あぁもう踊れる人たちのための曲。「踊れる人材」であり「この状況に戸惑っている役」である浅田さんの使い分け。次の♪My Wise Wayと合わせて、浅田さん平森さん棒井くん八面六臂ですよね。
平森さんが語る語る。棒井くんも観客も圧倒される。「カメレオン……バタフライ、こっちね」の表情が好きです。
 
 自分らしさを定義するのに他者の目は要らない、という話かと思ったけど、平森さんは「自分らしく、とかいらない」んですよね? 言葉で定義される表面的なものじゃなくて、もっと本能的な自分の感覚だけを信じろ、という話なんだろうか。
 

My Wise Way(百原ちゃんのタンゴ)

「ハッ、でしょうね!」このトゲがすごい2020にノミネートされました。
タンゴ…ですか?(自信がない)
タンゴのパッと振り返ったりする動きの感じと百原ちゃんの裏表感がぴったりで。可愛いみんなのアイドルがあんな冷たい顔をするんだと思うとぞくぞくする。じつは私達は可愛い方の顔を私たちはあんまり見ていないわけですが、それでもアイドルの百原ちゃんが想像できてしまう。
あと「懐柔される男」役の棒井くんが癖に刺さってしまった。
 

Mama Who Bore Me

隣に立つ人を意識してしまったり、歌えなくなってしまったりする表情を見ていると胃がキリキリする。
しかし5人のアンサンブル、めちゃめちゃ格好いいですね。
始まる前に高木さんの解説があるおかげで、こちらもどう聞いたら良いかがわかってありがたい。
 
高木さんの「本当は一人一人見てあげたかった!!」
あぁこの人は愛情をもって役者と向き合いたいひとなんだなあと胸が痛くなる。
 

The Dream I Dreamed That Day (あの日見た夢)

夢を諦めないこと、それ自体が大変な苦しみで、けれど唯一の方法。
二人が同じメロディ、似た歌詞をなぞることで、藤井先生も宮間ちゃんと同じだったんだっていうのがわかる。セリフでも説明してくれるけど。ただ一緒に歌ってるわけじゃなくて、二人がそれぞれに歌うから意味があるんだと思うんです。

「この手をすり抜け 舞い戻る あの日の夢」と歌う宮間ちゃんの切実さ。この先もきっと彼女は葛藤するんだろうなと思わせる。
「夢は衝動」と歌う藤井先生の声の熱。舞台という夢は、普段抑制的な藤井先生をして、ここまで駆り立てる。

過去と今を行ったり来たりして、一人称が俺になったり私になったりする藤井先生が好きです。
 

I Want To Shing Now(大団円のうた)

ちょっとずつ歌う人が増えていくやつ~。決戦の前の決意表明、歌が好きという気持ちの再確認。ひとつにまとまって浄化されていく感じ。
浅田さんが歌い出すのがまた素敵。実は彼女が一番ぶれてない。
サンプルが少ない私の中ではマジョリンの「心から心へ」なんですが、絶対何か別の元ネタがあるとは思う。
 
ここでやっと宮間・河南が互いの目を見て「あなたと今 歌いたい」と言う。
次のシーンでお互いずっと相手を見ていたことが説明されるけど、二人もここではじめて、相手も自分のことを認めていたって気づくんじゃないですかね。
 
そして間に挟まる大人組の歌う♪Audition、わくわくする。マスコミに反旗を翻した大人組2人にとっても、明日が決戦の日
 

河南と藤井先生

河南ちゃんも、無邪気なだけではいられなかった一人の歌好きなんだってハッとする。
二人きりであの場をもたせるの、すごい集中力がいるのでは。
 
あと当て書きで「実は愛のある大人」として描かれるの、脚本サイドから演者へのとてつもない愛なんじゃないかと思うなどした。
 

That's Why I Live In Musical

最高のミュージカル賛歌。
初心者だけど、オーディション連敗だけど、巧拙に固執するようになってしまったけれど――。みんな多かれ少なかれ、好きというだけで夢を追い続けて良いのか、葛藤を抱えながらここまで来ている。
それに対する答えが「歌いたいから歌う 踊りたいから踊る」。なんてシンプルで明るい救い。
ラスサビがいかにもフィナーレ、という感じで。これでハッピーエンドです、安心していいよ、という印ですよね。好きなものは好きでいていいという全肯定のハッピーエンド。
 

というわけで本当に本当に楽しかったです。行けてよかった。
カテコ挨拶で棒井くんが言っていた呪いのように諦めきれないもの、愛するが故に苦しむもの」、あるよなあと思い続けている

苦しくてもつらくても、「好きだから」舞台に立とうとする役者がいる。
彼ら彼女らが舞台に立ち続けてくれることに感謝と祝福を。