※ネタバレを前提としています

観劇その他覚え書き

舞台「文豪とアルケミスト 異端者ノ円舞」

文劇…すごいよかった文劇…
10代の頃、友人に対して強いコンプレックスと大きすぎる「好き」を持っていた人間としては大変しんどかった。

白樺派が二人しかいなかったときは、距離が近すぎて、いや一応BLではないんだから……という感じでしたが
今回有島が入ったことで、武者/志賀それぞれの人間関係における志賀/武者の位置づけが相対化された気がしてストンと腑に落ちた。
二人はそれぞれに仲間との関係を築いていて、そのなかでも唯一無二の大切な人としてお互いを位置づけていることがわかる。

カインの末裔のボス戦
ボス(=自らの負の感情)と向かい合うのは当事者に譲り、志賀と武者はまわりの雑魚をさばく。
ここで志賀と武者が他の二人のことをちらちら気にしながら戦ってるのがめっちゃよい。

志賀がピンチのときは武者が庇いにいく
武者がピンチのときは志賀が助けにいく
もちろん二人は有島の戦いの行方もすごく気にかけている

作品が侵蝕されてしまった仲間に対する白樺派のスタンス、追い詰められていてもお互いのことを思いやるのが白樺なんだというのが示される。

・藤村に質問攻めにされる有島
志賀は間に入って「有島は繊細なんだ」と有島をかばいながら藤村を止める。ここから先は踏み込ませない、という意志の強さ、正義感の強さ。
対して武者は逃げてきた有島を受け止めた上で藤村の真似をして笑わせようとする。気にするんじゃないよと言うような。

二人が仲間を守ろうとするときに取る行動は違っていて、でもそれがすごく良いコンビネーションを発揮する。なんだそれ最高かよ。
この思いやりにあふれた白樺派を侵蝕者は揺さぶりにくるわけです。


なごやかに鍋つついてじゃれてた二人が、"友情"が侵蝕されるとともに舞台機構ごと引き裂かれていくのグサグサくる………吉谷演出…………………まじ…………好きです……………

二人とも、相手はずっと変わらないままで、いつか自分だけがついていけなくなる日が来るんだと思っていたんだろう。
相手の良さを信じるあまり、自分が友人である自信が揺らいでしまう。好きが強すぎるあまりの劣等感。

独りよがりに友情がぐるぐるした挙げ句、暴走するやつ~~~~
心当たりがありすぎて無事死亡した。

そして最後に来る「『君の言葉が僕を支えてくれた』という相手の言葉によって、相手の中に自分の居場所があることを確認する」という構造。
友人関係の大正解である。
これを「共依存」ではなく「対等な友人関係」とできる両主演の演技の健やかさよ。

「友情」の中で光を浴びながら志賀と対話する武者があまりに純粋な表情で、やっぱり二人にとってこの友情は救いなんだと教えてくれる。
第1弾のメイン二人とはまた違った、「二人の関係」の形。
いろんな人間関係の形を文豪たちの生き様に重ね合わせながら描いていくの本当にすごい…


紅葉門下の物語、お待ちしております。


以下、スマホに書き殴っていたメモを場面順に並べたもの

・オープニングでまわりの敵をなぎ払ったあと二人で剣を合わせるの、めちゃくちゃ「貴族の戯れ」感がある。お育ちが良い~~~

・ほんと杉江さんは無邪気が似合うな。
追い詰められてへへって笑うのが好きです。
あとノリノリで喋っていたら水を差されて、ほけ?って顔をして動きを止めるの、子供か?という感じで好きです。

・有島の純粋な笑顔がすごい、守りたい。

・説明台詞だとしても、自分たちのことを「文豪」って呼ぶのはやっぱりとても違和感があるな…と思っていたら国木田さんが「ここに転生して初めて俺って作家だったのかって思った」みたいなことを言っていて推せた。だよな、そういうもんだよな。

・武者に渡された「友情」を、やけどして補修室入っている間に読んでる朔ちゃん…いいこ…

・志賀が武者に突き放されたあとに安吾と話すところ

ずっと聡明で頼れるお兄さん然としていた志賀が、ここで初めて掠れたような声になる谷さんの演技すごくよい……安吾じゃないけど、白樺派も荒んだりするんだってハッとする。
対する安吾さんもとても優しい。「灯台下暗しっていうか」「灯台下暗し………」のやり取りが好き。

・不安定になって、自分がなんでここにいるのかもわからなくなってしまった武者があまりに無垢で、なにこの赤ちゃんみたいな、え、目もうるうるだし、なに???と脳が軽いパニックを起こした

 

・これを踏まえてニコ生を見てください。よろしくお願いします。

https://live2.nicovideo.jp/watch/lv323417303

 


以上!!!!