※ネタバレを前提としています

観劇その他覚え書き

静かの海のパライソ2021

配信で見ました。

ゲームは数年やってない、ミュは厚樫、ステは虚伝以来の人間の感想です。
うちの本丸には小烏丸からいません。
今回のメンバーだと日向くんと江の二人は初めまして。

 

 

目線と真実と事実の話だった。

もうね、よく学校で習うストーリーを覆しますよ!っていう仕掛けがいっぱいあってめちゃくちゃ楽しかった。


はじめは十字を掲げ、輝くばかりの神々しさを放つ天草四郎(本人)とそろった群舞でキリスト教徒が団結して立ち上がったように描いておいて、中盤以降で実はそういうわけでもないっていうのが分かっていく作り。

歴史上の人物の逸話とか人物像って長い間にとっちらかって「冷静に考えてこれひとりの人間じゃ収まらなかろうよ」みたいなことになる気がするんだけど、タイプの違う日向、浦島、鶴丸で拾っていたのが巧かった。


それぞれの形で違う層にアプローチをかけていくなかで、単なるキリシタンの蜂起とは言い切れない、いろんな切り口のある一揆なんですよっていうのが上手に説明されていた。

 

一揆勢に与しない人が脅かされていく様子を描くのもめちゃ良かった。すごい丁寧に「戦は過ち」感出してくじゃん。

パライソ連呼ナンバーの地獄リプライズが最高すぎる。
あんなに神聖に見えていた戦が、じつは地獄そのものだったんですよ。

 

板倉重昌が戦死したと聞いて撫で切りを命じる松平信綱よいよね~~~。
相手が手を出してきた(=「戦」の形をとった)から、戦でぶちのめすことで戦という選択が間違っていたと示すわけで。

冷酷な政府軍として描かれがちな幕府サイドにも信念があって、理由があっての「撫で切り」であることが描かれるのも新鮮でよいな~~と思いました(普段歴史は大河ぐらいでしか摂取していない素人並感)。

 

で、まあこれは物語なのでそういうものなのは分かってるんだけど、右衛門作さんの意図、"真実"は結局語られないんですよね。

というか鶴丸にこれ見よがしに止められる。

しかもその割に審神者サイド・幕府サイドの"真実"はがっつり語るんだよなあ。

間違った戦を選んだ右衛門作側に肩入れ出来ないようになってる。

 

いや分からん、私が共感できないだけでこの「四郎~、四郎~」って泣く右衛門作に共感できるひともいるのかも。

まあ彼の孤独な未来に共感して泣くのは分かるとしても、彼のこれまでの選択には共感できないようになってる気がする。

 

時代に即した正義の方向にもっていくために必要な"真実"のみが語られるの、歴史感あっていいですね。これが歴史ってやつですね。
あっそれともこの鶴丸たちの物語もねじ曲げられているかもしれない"真実"のひとつですよっていうことですか?

 

まあなんというか、そういった部分も含めて物語的だし、豊前江の言うところの「戦いの道具」をメインに据えながら、争いを認めない現代の価値観となじませる工夫なんだろうなと思うなどしました。

 



その他思ったこと

お兄ちゃん役の横山賀三さんがめちゃくちゃお歌上手だなあと思っていたらヤングシンバだった。なるほど、そりゃ上手いわ。

最終的におなじ役者に"天草四郎"を返すことで、"正史に戻した"を示すのめちゃくちゃ演劇的で良かった。島原天草if演劇における最高のパフォーマンスなのでは。

 

島原の歴史をほとんど知らない浦島、一般に言われるようにキリシタン一揆だと思っていた日向、舞台であまり描かれていない幕府側を知っている松井、すべてを知った神目線の鶴丸でいい感じに解説が分散されていて、観客の知識レベルの幅を広めにフォローしてくれていてありがたい。

 

鶴丸は人の心を持った上で作戦の都合上心無い振る舞いをしているんですか……? ねえ……ちょっといったんカウンセリングとか受けた方がよくない……?

松井が過去を乗り越えると信じて幕府方に送り込み、でももしもの場合に備えて豊前を配置し、浦島が心を寄せる人たちの最期を見ないように配慮できる鉄の塊。


逆に豊前が100%良い奴でよく分かんなくなってくる。
君に闇はないんですか? 出自がわからんだけ?

闇があるなら教えてください。

 

松井江も血を受け止めるのが自分の役割だって受け入れられてよかったね(誰?)。
あれはもとの主なんだろうか。

顕現して人の身体を得ることで人との対話の機会が得られるのが、擬人化ものならではの救いの仕掛けになっていていいなあと思いました。
じゃなきゃやってられねえよな、こんなトラウマ聖地巡礼みたいな出陣。

 

ところで(人の体をもった)松井江が滾ると鼻血を出すくせがあることを、(顕現して初めて会った)豊前江がなぜ知ってるんですか?

 

倶利伽羅に一度も名前を呼ばれたことのなかった日向と浦島。
鶴丸国永」「日向正宗」とフルネーム(?)で呼ぶ松井江。
この編成で出陣すると聞いて驚く面々。
初見でも分かる、いつもと違うんだな感。

後日パートの鶴丸の「おーどっかで見たような面子だな」も、島原以来集まってないんだろうなって思わせる。

集められてから最後梅干し食べるまでにちょっとずつ仲良くなった気がしたけど、結局そのあとも絡みないな……って思う誰かの目線定点の同人誌とかありませんか?

 

大体以上!

歌とかライブとかの感想はツイートで大体書いたので割愛しました。

ツリーの頭↓

 

MANKAI STAGE A3! WINTER 2021

もう一度やってくれてありがとうございます!!!!
去年涙を呑んだから、まずもう本当にそこだけで嬉しい。
生で観たかったんですこれを。
フォーライで「エンジェルスノー」を生で聞けただけでも十分嬉しかったんだけど、オタクは強欲なので。


M1前の何気なく立ってる風の5人があまりにも冬組で、それだけで泣けてきてしまってどうしようかと思った。
コロナの間もMANKAIカンパニーで、冬組でいてくれてありがとう。

 

OPがよく出来すぎている。

それぞれ個性があって、冬組同士で言い合ったり軽口たたいたりしているけれど、曲が始まって他の組が出てくると大人の顔になる。
丞・紬は親みたいな顔になるし、東・密・誉は微笑みながら脇にハケる。
あ~~そうそう冬組ってそういうポジションだよねと思っていたら、全編にわたってそういう話だった。(忘れていた)


第1幕 主人はミステリにご執心

気を使う有栖川誉〜!へたくそ〜!!大好き~~!

何度読んでも理解できないと言う天才詩人と、考え抜け(=考えれば分かることだろ)と言う生え抜きの演劇人たち、という構図が彼の孤独を色濃くしているよな、と思う。
紬と丞にそんなつもりは全くないだろうけど。

 

トラウマがあって、挫折を吐露して、役を理解し、そして人を理解する、と「共感」を獲得していくの、人間の成長が丁寧に描かれていてすごく良い。
本番に向けての稽古と重ね合わせる形だからこそ、王道の成長ストーリーを受け止められるんじゃないかとか思ったりした。大人になっても人は変われる。
御影密も大概人の気持ちがわかってないな?と最後にわかる。早く話し合ってくれよ、もう。

 

詩って言葉の意味と読み手の共通認識がうまく重なってこないと言葉選びの重層性みたいなところを味わえない気がするんだけど、人の気持ちが理解できないと言う彼の、芸術的感性みたいなものってどこから来るんだろうと思うなどした。
共感ができない彼の詩のどんなところにファンは惹かれるんだろうというのはいつかもう少し考えたいです(し、ご意見募集してます)。


ところでギャグのテンポ感がいかにも皆木ファクトリーのコメディって感じで、夏組の女はそこに笑ってしまった。
皆木先生、これからもよろしくお願い申し上げます。


第2幕 真夜中の住人
第二回公演の時点で東が「板の上でならいくらでも呼吸ができる」って言って、長髪の理由(ちょっとした験担ぎ)に触れてから、第三回公演でその心の闇に踏み込んでいく構成なの、単独公演の強みが出てていいな。
5人だけに集中して人間性を描き込めるし、時間の流れがスムーズ。キャラを描くという点においては、2回と3回の間にどうしても時間が空いちゃうゲームより最適解の可能性すらある。

 

回想シーンで2段低いところに立って「子ども」を演出するのが好き。当時の東からはそう見えていたんだなって。
上手上段でシトロン・綴・一成が演じる親戚たちを下手下段から眺めるのも、心の距離……という感じがしてすごく良い。とてもつらい。

 

その分、駅で東を見つけた丞の「おかえりなさい!」があまりにも温かくて沁みてしまう。本当に心配してたんだろうし、迷惑だとかそんなことは全然考えてないんだろうな。
2幕の「直せなくても、大事なものなら不要じゃないだろ」といい、高遠丞の健やかさに救われる。いい子に育ったねえ。

 

東の家に突撃していって、東さんのこと知りたいんです!って切り出すのは丞で、僕たちもっと近づきたいんですって援護射撃するのは紬で、「演劇馬鹿」とくくられる二人だけど、そのまっすぐさは若さでもあるよな、と思ったりした。

いつもはお兄さんポジのたすつむも冬組では末っ子なんですよね。

最初とか最後の曲で、間奏の間に後ろにハケていくときに、まず紬丞が走っていって、一歩遅れたところでニコニコしてる東とぼーっとしてる密の肩をたたいて「さあ行こう」って顔をする誉、っていう冬組が好きすぎる話しましたっけ。今しました。

まさにそれだと思って。
東、誉、密の3人が、演劇馬鹿たちのまっすぐさを微笑ましく愛おしく思っていたらいいなあ。


ところで「真夜中の住人」、フル尺で見たいんですがどうすればいいですか。

 


その他思ったこと殴り書き

・M1で高身長組が並んだとき踊り方違うの好きすぎていつも見てしまう。誉さんずっとすっと立ってるし、丞さんはやや外またになるように構えてるのよすぎでは

鳥と歌う有栖川誉、ディズニープリンセスすぎる問題
伸びやかなソロ→軽やかなオケ→周りの人たちが「あいつは変わってる」って歌うの、もう実質『美女と野獣』じゃん!?「朝の風景」じゃん!?!?
いつか友人が三角の「紙飛行機」はアナ雪の「雪だるまつくろう」のオマージュではって言ってたのを思い出した。
えっもしかしてマンパニはプリンセス集団????

・探偵ごっこが終わらないと見るとストレッチ始める高遠丞

お前本当そういうとこだぞ…

・無くしたのがおばあさまから貰った時計だって聞いてつらそうな顔をする三好一成、誰よりも人の痛みがわかる男。無理。

・東さんめちゃくちゃ髪の位置こまめに直すなあ、キャラ絵に忠実だなあと思ってたんだけど、密の「供述」シーンでストップモーションするときにそこで止まった瞬間、ここまでの仕草が全部布石だったみたいに思えて鳥肌立った。

・支配人の「衣装脱いでからにしてください! 瑠璃川くんに怒られちゃうんですから!」、学校から帰ってきたらカバン投げ出して、衣装のほつれとか確認するマンパニの衣装係を想像するだけでニコニコしちゃう。ちょっとスパンコール外れてたりなんてしたら「どんな無茶したの!?」ってすごい顔で睨んでくるんでしょ見たい見たい~~~~

 

ウェイトレス

最初シュガ…シュガ…がsugarだと気づかずに何かのオノマトペだと思っていた(馬鹿)くらい、なんというか感覚的、官能的に訴えてくるsugar, butter。

最初に自分の説明をする段と、ポマター先生と関係を持ってから、このまま行っていいんだろうか、ってところで始まった(よね?)
パイづくりが彼女にとって自分の内面に潜り込む作業だっていうことなんだろうなと思うなど。
本物の小麦粉がスモークっぽくぶわっと広がるのも雰囲気があって好き。


あと背景装置(名前がわからん)の切り替えがすごくスムーズだった気がしたんだけどあんなもんでしたっけ。大きい舞台の大道具の移動ってもっと時間がかかる気がしてた。
アンサンブルの人数も控えめだったし、シンプルにしたのかなぁ。それともブロードウェイそのまま?


ストーリー展開としてはややうーんって感じで、「アールの子どもは生みたくなーーーい!」からの急転直下、子どもの顔を見たら母親になる、のは母親神話だよなぁ。
まあ実際望まない妊娠だとそういうことはあるのかもしれないし、顔を見たら可愛く思えることはあるんだろうけど、それは現実の話で、フィクションのハッピーエンドとしてそれは正しいか? ルルちゃんに私が生まれたときどんなだった?って聞かれたときに「生みたくなーーい!」を後ろめたく思わずにいられるのかっていう。

only oneの歌とか、すごい洗脳感あるし怖かったけど、全体とおしてジェナ目線で描かれてるから、事実はわからないんだよなぁ。
片側から語られる恋愛ってすごく歪むよなぁと思うなどした。

アールの話ではジェナが大変だったときに側にいたのはアールだったし、彼にとってもジェナしかいないんでしょ?
冒頭にジェナ本人も言ってたけど彼の大変な時期に寄り添ってあげることも大事なのでは……荒れてるのが嫌なら話し合ったほうが良いのでは……自己完結しすぎてないか?

信じられない…!の一言で風向きが変わったのを感じさせる高畑充希はさすがの演技力だった

歌と演技の完成度は総じて高かった気がして、キャスティングすごいなぁと思った
おばたのお兄さんもLiLiCoも初めて見たけどあんなキレッキレなんですね。
あれリモート稽古だったってマジ?

歌がうまいなァ…を100回くらい思っては、脳内のCOWCOWあたりまえ体操を踊り狂った。

無限列車で思ったこと

※原作通読してません

・MX4Dで見たので終始揺れてた。電車の揺れが再現されてたのは楽しかった。炭治郎が技繰り出すたびに結構な量の水がかかる。

・家族を見て衝撃で刀を手放して、駆け寄って雪に倒れ込んで、次に顔が写ったときには痣が元に戻ってる、の流れの鮮やかさ

・えっちなOLさんだと思ったけどもしかしてスーツじゃなくて燕尾服ですね?
指揮者?とどこかで思ったんだけどどこだったかな

・原作確認してないんですけど、今までの鬼はわりと鬼側の背景も描写されてて、可哀想に…と思えるようになっていたのに魘夢さん最期まであいつは強かった…こうしてれば勝てた…ってばかりだったのが印象に残った。
俺の家族を侮辱するな!って怒ってて、珍しく炭治郎も同情しなかったし、"炭治郎の敵"としての役割を優先して書いたんだろうか。

・猗窩座くんずっと楽しそうにニコニコ戦ってるもんだから、気づいたらなぜかこっちまで笑顔でスクリーン眺めてた。
そういうシーンではない。

・キリッとした煉獄さんの眉毛が下がるの、昔母に抱きしめられたときと母の幻影に認められた(=自分が納得できる形で生を全うした)ときだけなのしんどすぎた。

・まあ地顔なんだと思うけど、強き者の務めだからと意識してキリッと、しゃんとしてたんだとしたら尊いけどしんどいな。無意識の世界も燃えてたし

・3人ががっっつり泣くし、他の柱がショックを受けている様子もしっかり描くしで、こっちの泣く間がしっかり用意されてた。
少年漫画のキャラの死に際ってこう、みんな「そんな…」とか言いながらもしっかり前向くからその様子も健気でさらに泣ける、みたいな演出が多い気がしてたのでちょっと新鮮だった。まあわたしのサンプルが少ないだけかもしれない。

MANKAI STAGE『A3!』~AUTUMN 2020~

 
春夏秋で家族、友達、夢(自己実現)なんだよなと第一回公演まとめみたいなプロローグをみて思った。

 

第2回 「異邦人」

十座が「夏組はみんなで向き合って解決してた!!」って言うところ、椋からたくさん話聞いてたんだろうな、と思わせる。そういう関係性っていいなと夏組を理想にしていたのに、いざ自分の組でいざこざが起きると思い通りには解決しない。みんなの向き合い方がバラバラで、上手くいかなくて。


万里と十座が互いの前では啖呵きりながら、あとで「本当はあいつの言うとおりなんだ」って言うやつ〜〜〜!

あとあっちとこっちで椋と天馬が話聞いてるのがめちゃくちゃいい
 
それぞれ相談しあうところ見て思ったんですが、劇団員の中でも特に仲いい人同士とそこまでではない人っているはずで。みんながみんな各組内のゴタゴタまで知っている訳ではなかったりするんだろうか。
それとも夏組がどうやって問題乗り越えたかとか、みんな共有してるのかな。
 
太一のぎりぎりまでおバカなお調子者をやってるのにパチンとスイッチ切り替わって「だからさ、バイクで行こうよ」ってなるところ本当に鳥肌立つ。臣くんを支えなきゃっていう気持ちが太一を奮い立たせたんだなぁ。
 
からの「止まっているようで、ずっと進んでた」
って歌う臣くんのあたたかい涙がえぐい。臣くんのまわりにはいつも、支え、慕ってくれる仲間がいるんですよ…………。人望…………。

 

第3回公演 「任侠伝 流れ者銀次」

春や冬も社会人はいるけど、最年長と中央値の距離が一番遠いのは秋

「それぞれのタイプの子供」と「諦めてしまった大人」なんだなあと思った。

 

左京さん、ずっと年齢を気にしてて、でもやっと気持ちを許せてきたと思ったところで、自分が座長の公演で皆がついてこない、ってなるのきっつい。やっぱり自分じゃ同じ目線に立てないのかって思ってしまうよなあ。
 
万里は「年齢は関係ねえんだよ」って言うけど、結婚!?マンション!?ってザワザワする秋組の若さはすごい(むしろここで秋組も子供っぽいとこあるんだなあと強く思わされた)。左京さんはきっとこういう秋組の様子もたくさん目にしてるんですよね。
それでも何だかんだ、左京さん左京さんってついてきてくれるメンバーに気を許した矢先のすれ違いなんだかそりゃ堪えるよ……。
 
そして太一に「俺はいやッス!!!」って叫ばせるやーつ。みんなでいてこそ秋組だ、って言えるようになった……。太一のなかで劇団員としての自負が強くなっているのがうれしいんですよ……(そうです、七尾太一のモンペです)
 
気まずくなると万里が無理やり軽口叩いちゃうのしんどい。それは言っちゃだめだって臣・太一に諭されて「ちっ、わあってるよ」ってなる感じ。
 
 
あとギャグシーンだとは思うんだけど、綴の「みんなどうしちゃったんだよ〜!」が地味に悲痛でこちらまで悲しくなってしまう。
そりゃそうだよなぁ。いつかは書いてみたかった任侠もので、今回は稽古の仕上がりも良くて……って嬉しく思っていたのにめちゃくちゃになってたら、脚本家としては動揺するよなぁ。
 
 
などと!思いました!!!感想文にもなってない!!!!

Spotlight 各ナンバーに好きなこと言う記事

Audition

「オーディション!」を口々に言うだけでもそれぞれに性格が感じられるのがすごい。オーディション参加者それぞれにスポットライトが当たるのが本当に好きです。よくこれだけの人数動かせるなぁ。
2回目に観たとき、このオーディションにかける思いがそれぞれにあるんだなって思ったら涙が出てきた。
長谷ちゃんお友達多そう。

 

He Is Awesome!(彼はすごい人)

だれ?彼!のところ、とても英語的で楽しい。"Who did? ""He did! " ですかね。
内野・宮間の二人の声のタイプが違うからどちらの旋律も生きる。三拍子の足取りが軽やかで、高木ファンの夢見る乙女感に心が躍る。たたたたって上がっていく音をさらっと歌うからすごい。
金梨ちゃんのパートに合わせてお金の音させるの楽しすぎるでしょ。
内野ちゃん、シンデレラみたい。腕の角度に出る上品さ。小鳥とか肩に乗っけてお話ししててほしい。

 

Like In Love(くそ男を見返すソング)

好きです。いつまでも喋っていてください。
四宮ちゃんのパワフルな愚痴と米村ちゃんのわかるよぉ~の相性の良さ。米村ちゃんの受けの演技がナチュラルだし相手をよく見てる感じがして好きです。
彼女たちは「考えちゃうそっとぎゅっと愛を」で「追いかけちゃうもっとスポットライト」なんですね!? 恋愛も舞台も同じくらい大事で、「恋なんて嫌い!」って言うのも、比重が大きいことの裏返し。「結局諦めらんないの」!! ああもう!女の子!!

 

Not So Bad Life(初心者3人組の歌)

相手の長所を拾う金梨ちゃんの健やかさ。きっと弟?妹?たちにもそう接しているんだろうなあ。
金梨ちゃんの引っ張ってくれる声と、長谷ちゃんの柔らかい声、御斎くんのハリのある声。他ナンバーを見たところ、そもそも皆さん中音担当なんですかね? バランスがすごくよかった。
リズムとって歩きたくなるようなサビの感じがハクナマタタだなと思った。
計画!練習!本番!っていうバタバタ感。
間奏が時間の経過なわけですよ。この1曲で1日経ってる。天才。台詞ガンガン入れる前のナンバーと対照的な気がした。

 

The Best Song Everベッソン

さんざん書いてるのでそのへんは割愛。
「あーふれでる」の入りから好き。すでに楽しそう。ちょっと色っぽくさえある。「のびやかに」は本当にのびやかで、考えられているんだろうなと思った。
2回とも上手で見たのだけど、たまには悲しく、で泣き崩れる四宮ちゃんが可愛い。

藤井先生の「3日後の、お披露目会?」の言い方。怒ってますよ、というモーション。
 

Dance! Dance! Dance!

あぁもう踊れる人たちのための曲。「踊れる人材」であり「この状況に戸惑っている役」である浅田さんの使い分け。次の♪My Wise Wayと合わせて、浅田さん平森さん棒井くん八面六臂ですよね。
平森さんが語る語る。棒井くんも観客も圧倒される。「カメレオン……バタフライ、こっちね」の表情が好きです。
 
 自分らしさを定義するのに他者の目は要らない、という話かと思ったけど、平森さんは「自分らしく、とかいらない」んですよね? 言葉で定義される表面的なものじゃなくて、もっと本能的な自分の感覚だけを信じろ、という話なんだろうか。
 

My Wise Way(百原ちゃんのタンゴ)

「ハッ、でしょうね!」このトゲがすごい2020にノミネートされました。
タンゴ…ですか?(自信がない)
タンゴのパッと振り返ったりする動きの感じと百原ちゃんの裏表感がぴったりで。可愛いみんなのアイドルがあんな冷たい顔をするんだと思うとぞくぞくする。じつは私達は可愛い方の顔を私たちはあんまり見ていないわけですが、それでもアイドルの百原ちゃんが想像できてしまう。
あと「懐柔される男」役の棒井くんが癖に刺さってしまった。
 

Mama Who Bore Me

隣に立つ人を意識してしまったり、歌えなくなってしまったりする表情を見ていると胃がキリキリする。
しかし5人のアンサンブル、めちゃめちゃ格好いいですね。
始まる前に高木さんの解説があるおかげで、こちらもどう聞いたら良いかがわかってありがたい。
 
高木さんの「本当は一人一人見てあげたかった!!」
あぁこの人は愛情をもって役者と向き合いたいひとなんだなあと胸が痛くなる。
 

The Dream I Dreamed That Day (あの日見た夢)

夢を諦めないこと、それ自体が大変な苦しみで、けれど唯一の方法。
二人が同じメロディ、似た歌詞をなぞることで、藤井先生も宮間ちゃんと同じだったんだっていうのがわかる。セリフでも説明してくれるけど。ただ一緒に歌ってるわけじゃなくて、二人がそれぞれに歌うから意味があるんだと思うんです。

「この手をすり抜け 舞い戻る あの日の夢」と歌う宮間ちゃんの切実さ。この先もきっと彼女は葛藤するんだろうなと思わせる。
「夢は衝動」と歌う藤井先生の声の熱。舞台という夢は、普段抑制的な藤井先生をして、ここまで駆り立てる。

過去と今を行ったり来たりして、一人称が俺になったり私になったりする藤井先生が好きです。
 

I Want To Shing Now(大団円のうた)

ちょっとずつ歌う人が増えていくやつ~。決戦の前の決意表明、歌が好きという気持ちの再確認。ひとつにまとまって浄化されていく感じ。
浅田さんが歌い出すのがまた素敵。実は彼女が一番ぶれてない。
サンプルが少ない私の中ではマジョリンの「心から心へ」なんですが、絶対何か別の元ネタがあるとは思う。
 
ここでやっと宮間・河南が互いの目を見て「あなたと今 歌いたい」と言う。
次のシーンでお互いずっと相手を見ていたことが説明されるけど、二人もここではじめて、相手も自分のことを認めていたって気づくんじゃないですかね。
 
そして間に挟まる大人組の歌う♪Audition、わくわくする。マスコミに反旗を翻した大人組2人にとっても、明日が決戦の日
 

河南と藤井先生

河南ちゃんも、無邪気なだけではいられなかった一人の歌好きなんだってハッとする。
二人きりであの場をもたせるの、すごい集中力がいるのでは。
 
あと当て書きで「実は愛のある大人」として描かれるの、脚本サイドから演者へのとてつもない愛なんじゃないかと思うなどした。
 

That's Why I Live In Musical

最高のミュージカル賛歌。
初心者だけど、オーディション連敗だけど、巧拙に固執するようになってしまったけれど――。みんな多かれ少なかれ、好きというだけで夢を追い続けて良いのか、葛藤を抱えながらここまで来ている。
それに対する答えが「歌いたいから歌う 踊りたいから踊る」。なんてシンプルで明るい救い。
ラスサビがいかにもフィナーレ、という感じで。これでハッピーエンドです、安心していいよ、という印ですよね。好きなものは好きでいていいという全肯定のハッピーエンド。
 

というわけで本当に本当に楽しかったです。行けてよかった。
カテコ挨拶で棒井くんが言っていた呪いのように諦めきれないもの、愛するが故に苦しむもの」、あるよなあと思い続けている

苦しくてもつらくても、「好きだから」舞台に立とうとする役者がいる。
彼ら彼女らが舞台に立ち続けてくれることに感謝と祝福を。
 

舞台「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」

原作は最初の映画しか観ていない人の感想です。

カケルがHBの鉛筆持ってきて笑った。
インテリにもインテリのプライドがあるし、絶対いつもは出さないのにタイガを奮起させるために語りだすってのが熱い。

お風呂!!!今回もあるんかい!!!
カケルくん、後ろ姿で丸裸だけどタブレットでやばいとこだけ隠しました〜みたいな感じで踊ってたのに、わーいって集まるところで普通にそれ外れてて。いやいいのかよ。
たぶんカケル推しなんだろうなと徐々に自覚しはじめている。

spiさん、ほんとバッチバチに歌うまいっすよね。
でも前回聞いたときは歌うますぎて浮いてるくらいだったのが、今回なじんできていて「2.5ナイズ」されてる感じがした。器用なんだろうな。
あと相変わらず古谷さんの、こちらを楽しませようとしてくれるのが最高すぎます。最後の曲の間客席とエアキャッチボールしてたのがツボでした。そんなファンサありなんですか。

誓います!ってみんなでやる曲(追記「ナナイロノチカイ」)で無事泣いた。
これだけ、あなたのために、と繰り返し伝えられたら誰だって泣くでしょ……

世界のエンタメの理想が詰まっていました………

ありがとうキンプリ……アニメちゃんと見ます…………

追伸
チケットをお譲りした原作オバレファンの人に「原作全然履修できてないんですけど大丈夫ですか」って言ったら「原作知ってても意味わからないことばっかりですよ」と返ってきて心強かった。素敵なアドバイスありがとうございます。