※ネタバレを前提としています

観劇その他覚え書き

MANKAI STAGE A3! WINTER 2021

もう一度やってくれてありがとうございます!!!!
去年涙を呑んだから、まずもう本当にそこだけで嬉しい。
生で観たかったんですこれを。
フォーライで「エンジェルスノー」を生で聞けただけでも十分嬉しかったんだけど、オタクは強欲なので。


M1前の何気なく立ってる風の5人があまりにも冬組で、それだけで泣けてきてしまってどうしようかと思った。
コロナの間もMANKAIカンパニーで、冬組でいてくれてありがとう。

 

OPがよく出来すぎている。

それぞれ個性があって、冬組同士で言い合ったり軽口たたいたりしているけれど、曲が始まって他の組が出てくると大人の顔になる。
丞・紬は親みたいな顔になるし、東・密・誉は微笑みながら脇にハケる。
あ~~そうそう冬組ってそういうポジションだよねと思っていたら、全編にわたってそういう話だった。(忘れていた)


第1幕 主人はミステリにご執心

気を使う有栖川誉〜!へたくそ〜!!大好き~~!

何度読んでも理解できないと言う天才詩人と、考え抜け(=考えれば分かることだろ)と言う生え抜きの演劇人たち、という構図が彼の孤独を色濃くしているよな、と思う。
紬と丞にそんなつもりは全くないだろうけど。

 

トラウマがあって、挫折を吐露して、役を理解し、そして人を理解する、と「共感」を獲得していくの、人間の成長が丁寧に描かれていてすごく良い。
本番に向けての稽古と重ね合わせる形だからこそ、王道の成長ストーリーを受け止められるんじゃないかとか思ったりした。大人になっても人は変われる。
御影密も大概人の気持ちがわかってないな?と最後にわかる。早く話し合ってくれよ、もう。

 

詩って言葉の意味と読み手の共通認識がうまく重なってこないと言葉選びの重層性みたいなところを味わえない気がするんだけど、人の気持ちが理解できないと言う彼の、芸術的感性みたいなものってどこから来るんだろうと思うなどした。
共感ができない彼の詩のどんなところにファンは惹かれるんだろうというのはいつかもう少し考えたいです(し、ご意見募集してます)。


ところでギャグのテンポ感がいかにも皆木ファクトリーのコメディって感じで、夏組の女はそこに笑ってしまった。
皆木先生、これからもよろしくお願い申し上げます。


第2幕 真夜中の住人
第二回公演の時点で東が「板の上でならいくらでも呼吸ができる」って言って、長髪の理由(ちょっとした験担ぎ)に触れてから、第三回公演でその心の闇に踏み込んでいく構成なの、単独公演の強みが出てていいな。
5人だけに集中して人間性を描き込めるし、時間の流れがスムーズ。キャラを描くという点においては、2回と3回の間にどうしても時間が空いちゃうゲームより最適解の可能性すらある。

 

回想シーンで2段低いところに立って「子ども」を演出するのが好き。当時の東からはそう見えていたんだなって。
上手上段でシトロン・綴・一成が演じる親戚たちを下手下段から眺めるのも、心の距離……という感じがしてすごく良い。とてもつらい。

 

その分、駅で東を見つけた丞の「おかえりなさい!」があまりにも温かくて沁みてしまう。本当に心配してたんだろうし、迷惑だとかそんなことは全然考えてないんだろうな。
2幕の「直せなくても、大事なものなら不要じゃないだろ」といい、高遠丞の健やかさに救われる。いい子に育ったねえ。

 

東の家に突撃していって、東さんのこと知りたいんです!って切り出すのは丞で、僕たちもっと近づきたいんですって援護射撃するのは紬で、「演劇馬鹿」とくくられる二人だけど、そのまっすぐさは若さでもあるよな、と思ったりした。

いつもはお兄さんポジのたすつむも冬組では末っ子なんですよね。

最初とか最後の曲で、間奏の間に後ろにハケていくときに、まず紬丞が走っていって、一歩遅れたところでニコニコしてる東とぼーっとしてる密の肩をたたいて「さあ行こう」って顔をする誉、っていう冬組が好きすぎる話しましたっけ。今しました。

まさにそれだと思って。
東、誉、密の3人が、演劇馬鹿たちのまっすぐさを微笑ましく愛おしく思っていたらいいなあ。


ところで「真夜中の住人」、フル尺で見たいんですがどうすればいいですか。

 


その他思ったこと殴り書き

・M1で高身長組が並んだとき踊り方違うの好きすぎていつも見てしまう。誉さんずっとすっと立ってるし、丞さんはやや外またになるように構えてるのよすぎでは

鳥と歌う有栖川誉、ディズニープリンセスすぎる問題
伸びやかなソロ→軽やかなオケ→周りの人たちが「あいつは変わってる」って歌うの、もう実質『美女と野獣』じゃん!?「朝の風景」じゃん!?!?
いつか友人が三角の「紙飛行機」はアナ雪の「雪だるまつくろう」のオマージュではって言ってたのを思い出した。
えっもしかしてマンパニはプリンセス集団????

・探偵ごっこが終わらないと見るとストレッチ始める高遠丞

お前本当そういうとこだぞ…

・無くしたのがおばあさまから貰った時計だって聞いてつらそうな顔をする三好一成、誰よりも人の痛みがわかる男。無理。

・東さんめちゃくちゃ髪の位置こまめに直すなあ、キャラ絵に忠実だなあと思ってたんだけど、密の「供述」シーンでストップモーションするときにそこで止まった瞬間、ここまでの仕草が全部布石だったみたいに思えて鳥肌立った。

・支配人の「衣装脱いでからにしてください! 瑠璃川くんに怒られちゃうんですから!」、学校から帰ってきたらカバン投げ出して、衣装のほつれとか確認するマンパニの衣装係を想像するだけでニコニコしちゃう。ちょっとスパンコール外れてたりなんてしたら「どんな無茶したの!?」ってすごい顔で睨んでくるんでしょ見たい見たい~~~~